なめくじ長屋奇考録｢このマンガがひどい！2016｣のおまけ。なめくじ長屋奇考録/おおかみ書房の人の｢このマンガがすごい！｣

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｢このマンガがひどい！2016｣のおまけ。なめくじ長屋奇考録/おおかみ書房の人の｢このマンガがすごい！｣

2015/12/25 21:36｜その他漫画ネタ｜TB：0｜CM：1｜▲

みなさん昨日はありがとうございました。
今年の｢～ひどい！｣はあれで終わりますが、今日はちょっとオマケです。

今年はこのブログで｢普通にオススメのマンガ(特に単行本)｣を紹介することができなかったので、ちょっと自分用に振り返りつつ、簡単に｢今年面白かったマンガ｣を紹介していきたいと思います。いつもと違って、買うのが恥ずかしくないやつだぞ。

ということで、なめくじ長屋奇考録/おおかみ書房の中の人の選ぶ｢このマンガがすごい！｣、発表します。
※ランキングではないです。だいたい買った順＆思い付きで、紹介順は適当。　
本家｢このマンガがすごい！｣の選考期間にざっくり合わせているので、昨年10月以降から先月くらいまでの分です。
｢面白いコマ｣貼るといつもと同じ事になってしまうので、基本的には書影のみ(画像＆リンクはだいたい最新刊)。

ということで、

とりあえず、発売日・更新日が待ち遠しいレベルの連載作品としては、

まずはケンガンアシュラ。
20年前に刃牙最大トーナメント編をリアルで読んでいた世代には｢あの感じです｣の一言で伝わるのではないか。
単行本今から読み始めるにしても、ちょうど一回戦が終わったところなのでキリがいい。

久正人は描く作品全てが圧倒的に面白いので、とりあえず

エリア51から読んでみてください。
ノブナガンも綺麗な終わり方したし、フォービリオンナイツもよかったし、本当に｢何を描いても面白い人｣というのは怖い。

何を描いても面白い人といえば、

阿部洋一のオニクジョもよかった。

男が男として生きていくために必要な秋田書店成分は、

衛府の七忍と

百人の半蔵と、

百足で補っています。
何度も言ってますが、衛府の七忍は、山口貴由が今の画力で初期のノリという｢強くてニューゲーム｣としか言いようがないマンガなので本当に手がつけられない。
百足も、このスピードで最後まで話が進むなら、相当カッコイイ切れ味のマンガになる気がする。

深いことなど何も考えずに、とにかく｢嫌な奴が死んでスッキリする｣のを求めるなら、

善悪の屑。
必要以上に警察やヤクザが絡んでこない復讐屋の話は、気持ちよさしかない。

絶望の犯島は、全5巻で｢誰も想像していなかった｣といってもいいくらい感動的な結末を迎えた。

そんなバーゲン先生の新作が

漫画ルポ中年童貞。
有名ルポ作品を、圧倒的な｢あの絵のキモい人たち｣で漫画化。読んでて本当に辛い。

コロコロコミック掲載作品とあなどるな。ゴクオーくんは、エンタメに特化した｢今一番尖ってる頭脳バトルマンガ｣だ。

ホラー枠としてはやっぱり安定安心の

死人の声を聞くがよい。

と、今年出たホラー単行本で一番すごかったのが、

おとろし。
カラスヤサトシ、こんな怖いものが描けるのか。ただの面白い人だと思っててすみませんでした。

呪みちる作品も続々と単行本化。

火星高校の夜。
素晴らしいホラー作品が復刊され、今の若い世代に読まれ続けていくことに対して、業界はもっと真剣に考えていってほしい。

雨がっぱ少女群が作画を担当している

怖い心理テストも、ちゃんと単行本化されて非常に嬉しい。
4コママンガ誌にこんなの描くなよ！の一言しかなく、雑誌内で浮きすぎていて本当に幸せを感じました。

昨日も言ったけど、

未知庵の単行本が2冊も出てくれて、日本のマンガは数歩先に進みました。
数年前からずっと｢未知庵の単行本が出なかったら日本のマンガ界は終わる｣と言ってた身としては非常に嬉しいけれど、いざまとめて読み返してみたら何が描いてあるのか一切理解できず本当に困る。なんでこんな本が出たのか。

とみ新蔵の

剣術抄。
いつも通りの｢術理｣を描いた快作…と思っていたらいきなりタイムマシーンが登場して古代ローマ人と決闘したり一切理解できない温度のボケが入ったりして混乱するすばらしい作品。

怪奇タクシー
水木プロの(正統)後継者が描く交通ホラー(謎ジャンル)。
因果応報のオチをつけつつも、最後に交通マナーを教えてくれる謎の教則本として独得の読後感あるで。

正統じゃない方の水木しげる後継者、ドリヤス工場の

有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。を読むためにトーチに出入りしており、一緒に掲載されている

意思強ナツ子の短編が全部異常に面白いことと、

サザンと彗星の少女がめちゃくちゃいい時代感じる絵＆抜群の空間描写で超期待大だということも言っておきたい。

漫画ゴラクでやってる宮下先生の男塾は｢ひどい！｣視点で楽しんでいるものの、スピンオフの2作品

男塾外伝伊達臣人と、

大豪院邪鬼は、俺たち世代が男塾に求めているもの全てを高次元で満たしており、本当にえげつなくかっこいい。
邪鬼の方は絵がうますぎて奮えるし、伊達の方はとにかくケレン味が尋常じゃなく、あと、かっこいいバトルマンガの(俺だけの)鉄則として、とにかく太ももが太い。最高。

ケレン味と言えば

KEYMANも佳境に入り目が離せない。

ヤスミーンは、かっこいい獣人バトルと思わせといて、ボノボの生態を説明するシーンが動物のアレが好きな人狂喜の完全アウト描写となっており、本当に、面白いから許されているものの、どうなっているのかと真剣に考える。

面白いから許されるけどどうなっているのかと真剣に考えるといえば、

堀骨砕三の昔のアレが改題復刊され、久々に読んでみたらやっぱり問題があった。

面白いから許されるけどどうなっているのかと言えば、

蜈蚣Melibeの新刊が出たという信じられない事件も起こった。
マスターの勃起力に神経を接続した奴隷人形にボクシングをさせる話とか女体楽団の話とか、お察しである。

面白いから許されるけどどうなっているのかと言えば、サガノヘルマーが一般誌に復活。
あの迷作、

廊下者コリドラーがWeb再連載された上に、それを解体し再構築したリビルド作、

妄想神話コリドーマンも開始。
この作品、さっきの桜壱バーゲンの｢中年童貞｣と同じサイトで掲載されており、本当にリイド社はどうなってしまったのかと心配になる

さらにその上、一昨日から中川ホメオパシーの新作、

干支天使チアラットもスタートし、本当に頭がおかしいとしか思えない。
思えばちょうど1年前に、中川ホメオパシーという作家にもっと光を当てる手伝いがしたくて｢もっと！抱かれたい道場｣の制作発表をし、9月に発売。初版1000部をひどい速さで完売させて、増刷分ももう20冊(2015/12/25　20時時点)ということで、次の作品に対してベストな形でバトンが渡せたなと、改めて自分でもタイミングの良さがかっこいいなと思いました。
リイド社のWEB担当の人、頭おかしい。

そういえば3月に、

任侠沈没がコンビニ本で復活。
この作品がなければ、今の自分はない。(この作品に対しての過去の活動、かなり消してしまったけど)

何年も言い続けているけど、今一番先端のマンガ表現をしている作家は三条友美。

人妻人形・アイ、2巻が出てます。
振り切り具合が言葉で説明できないが、とにかくエロ劇画作品の公式サイトがコレ、ということで色々みなさん考えてほしい。かっこよすぎる。

昨日も紹介したけど、

千夜鬼抄バンパイアが、登場人物歯並びが悪いという徹底ぶりの上に、妖怪もので絶対やったらアカン｢結局一番怖いのは人間｣で締めたので、結論としては最高という他はない。

夫の弟、必読。
｢表に出てこない｣特定のジャンルのトップが表に引っ張り出されて、何を描くのかと思っていたら圧倒的な漫画力で全員をねじ伏せるの、気持ちいい。

今年一番の問題作、というか

怒りのグルメ(噴飯男)は本当にすごい。｢老害｣をそのまま本の形にしたとしか表現できない圧倒的｢土山先生どうしてしまったんだ｣感。良識ある大人の楽しみ、だ。

ヴィラネス、バディものとして盛り上がっていくのかと思ってたら、ああいう形で進むのな。2巻でびっくり。

少女聖典べスケ・デス・ケベス、世の中に｢スタンドバトル｣的なジャンルのマンガは多々あれど、それを使ってここまでくだらないことをしているマンガもなかなかない。焼け野原にされつつあるこのジャンルで、ここまでふざけることができるのか。

単行本が出なかったけど、今一番すごいホラー漫画家は黄島点心。

新耳袋アトモスに載った短編がどれも圧倒的で、90年代後半～00年初頭の伊藤潤二がどこに何を描いても無双していた頃の勢いに迫るものがあると思う。
とりあえず、｢口寄せ蓮治捕物帖｣の一話が無料公開されているので、触れてみてほしい。

面白かったマンガはもっとたくさんありますが、とりあえずこの辺りを｢2015年のオススメマンガ｣としておくので、何かの参考になれば嬉しいです。

結論として、この世界で一番面白いマンガは

キン肉マン一択。
毎週月曜の0時になった瞬間に貪るように読み、次の更新までの6日と23時間50分を死んだように惰性で流す会社員のみなさん、
そんな生き方、嫌いじゃないぜ。
大丈夫、俺も一緒だ。

☆ #-｜2015/12/26(土) 18:05 [ 編集 ]

未知庵さんの漫画は大好きです♪
熱い漫画ばかりですね～☆

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